コラム

胃もたれの原因と治療法

食事をしたあとに胃が重く感じたり、スッキリしない状態が続く「胃もたれ」。誰しも一度は経験したことがあるかもしれませんが、症状が長引くと食事の楽しみが損なわれるだけでなく、日常生活にも支障をきたす可能性があります。原因はさまざまで、生活習慣やストレス、食べ物の嗜好、さらには内臓の病気が隠れていることもあります。この記事では、胃もたれの主な症状や原因、検査方法、そして治療・対処法などについて詳しく解説します。

お腹を押さえる女性

胃もたれとは?

胃もたれは、食後や空腹時にみぞおちの辺りが重く感じたり、ムカムカや不快感を覚える状態を指します。胃は食べ物を受けとめ、食べ物を小さく砕いたり消化液と混ぜたりして、腸への送り出しを行っています。しかし、この胃の運動機能が何らかの理由で低下すると、食べ物が十分に消化・排出されにくくなり、結果として胃もたれを感じてしまうのです。

胃もたれの主な症状

お腹を押さえる女性

胃もたれの代表的な症状としては、次のようなものがあります。

食後のお腹の張り

食事の量が通常と変わらなくても、食後に胃が重く感じたり、胃の膨張感が強く出ることがあります。

吐き気やムカムカ感

胃もたれが進行すると、吐き気を覚えたり胸焼けのようなムカムカ感が現れることがあります。

げっぷやガスの増加

胃の中に食べ物やガスが停滞しやすくなると、げっぷが頻繁に出たり、お腹にガスがたまりやすくなることがあります。

食欲不振

常に胃が重いと、食欲そのものが低下して食事量が減り、栄養バランスを崩してしまう原因にもなります。これらの症状は一時的に起こることもあれば、長期間続く場合もあります。短期間で自然に改善しない、もしくは繰り返し症状が出るときは、何らかの病気が潜んでいる可能性もありますので注意が必要です。

考えられる原因

ストレスを抱える女性

胃もたれを引き起こす原因は多岐にわたります。代表的なものには次のようなものがあります。

生活習慣や食事内容

脂っこい食事や甘い物の過剰摂取、アルコールの飲み過ぎ、喫煙などは胃腸に負担をかけます。また、早食いや食べ過ぎは消化不良の原因となるため、胃もたれを起こしやすくなります。

ストレス

ストレス状態が続くと胃酸の分泌量や胃の運動が不安定になり、胃もたれを引き起こすことがあります。

消化器系の疾患

胃潰瘍や胃炎、逆流性食道炎、胃がんなどで胃もたれの症状がでることがあります。また、胆のうや膵臓などほかの臓器の病気が影響している場合もあります。

加齢による胃腸の機能低下

加齢とともに胃の筋力や胃酸の分泌力が低下しやすく、結果として食べ物の消化や胃排出に時間がかかり、胃もたれを感じやすくなります。

胃もたれの検査方法

診察の様子

胃もたれが続いたり、他の症状(嘔吐など)を伴う場合は、原因を正確に突き止めるために内科・消化器内科などを受診しましょう。特に中高年以降の方や、慢性的な症状を抱える方は、重大な病気が隠れていないかを確認することが大切です。

問診・触診

まずは医師による問診と触診が行われます。症状の内容や持続時間、食事や生活習慣、既往歴などを総合的に判断していきます。

胃カメラ(上部消化管内視鏡検査)

胃もたれの原因を調べる最も一般的な検査が胃カメラです。口または鼻から細い内視鏡を挿入し、食道・胃・十二指腸を直接観察します。粘膜の炎症や潰瘍、腫瘍などがないかを詳細に確認できるため、診断の精度が高いのが特徴です。必要に応じて組織の一部を採取し、検査を行うこともあります。

血液検査・超音波検査など

血液検査や超音波検査で胆のう・膵臓の状態を確認する場合もあります。医師が必要と判断した場合には、CTやMRIなどさらに詳しい検査を行うこともあります。

胃もたれの治療や対処法

胃もたれの治療は、原因となっている要因を改善することから始まります。

生活習慣の見直し

規則正しい食生活や睡眠、適度な運動が大切です。食事では、脂質や糖質の多い料理を控えめにして、野菜や食物繊維をしっかり摂取しましょう。また、よく噛んでゆっくり食べることで胃への負担を減らすことができます。

ストレスマネジメント

ストレスが大きく関与している場合は、リラックスできる時間を作ったり、軽い運動や趣味などで上手に発散しましょう。必要に応じて心療内科やカウンセリングを利用するのも一つの方法です。

薬物療法

胃酸の分泌を抑える薬、胃の働きを促進する薬、胃の粘膜を保護する薬など、症状や原因に合わせて処方されます。自己判断で市販薬を長期間服用するのは避け、医師の診察を受けながら適切に選択しましょう。

定期的な胃カメラ検査

胃カメラで実際の胃の状態を確認し、必要な治療を早期に行うことが大切です。特に胃痛や吐き気などの症状が続く場合、あるいはピロリ菌の除菌治療の経過観察などで定期的な検査が推奨されることもあります。

胃もたれにお悩みの方は天白区の【ばんのクリニック】へ

胃もたれは、生活習慣やストレスなどによって比較的起こりやすい症状ですが、重大な病気が隠れている可能性もあるため、軽視はできません。症状が続く、もしくは悪化するようであれば、胃カメラや血液検査などによる早期診断が重要です。定期的な胃カメラ検査は、胃もたれの原因を正確につかむだけでなく、胃がんや胃潰瘍などの早期発見にもつながります。特に40代以降の方は、年に一度の検査を検討することをおすすめします。もし胃もたれの症状でお悩みの際は、当院のような消化器内視鏡を専門とする医療機関で相談してみてください。当院では一人ひとりの状態に合わせて最適な検査と治療法を提案いたします。日常生活の質を落とさないためにも、気になるサインを見逃さず、早めに対処を始めることが大切です。

ばんのクリニックの胃カメラ検査についてはこちら⇨

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