コラム

胃カメラ検査はどれくらい時間がかかる?鎮静剤あり・なしで変わる所要時間とは

初めて胃カメラ検査を受けるとき、「どのくらい時間がかかるのか」「鎮静剤を使うとどう変わるのか」など、気になることがたくさんあるかと思います。当院でもご希望に応じて鎮静剤を使った検査にも対応しており、不安や苦痛をやわらげることができます。
この記事では、検査にかかる時間の目安や当日の流れ、スムーズに検査を受けるためのポイント、よくあるご質問などをわかりやすくご紹介していきます。

考える女性

胃カメラの検査時間はどのくらい?

検査当日にかかる時間の目安は20〜60分

胃カメラ検査当日の来院からお帰りまでの時間は、鎮静剤の有無等で大きく変わりますが、大体平均して20分〜60分程度です。クリニックによっては「鎮静なしなら合計1時間程度、鎮静ありなら念のため2時間ほど見ておきましょう」と案内することもあります。いずれにせよ、初めての方は時間に余裕をもって来院されると安心です。

初診時の説明や事前診察にかかる時間(約10〜30分)

検査そのものの時間以外に、初めて受診する際の事前説明や診察にも時間が必要です。初診時には医師による問診・診察が行われ、胃カメラが必要な理由や体調の確認、検査方法(経口か経鼻か、鎮静剤の有無)の相談などが行われます。また、検査の同意書の記入や注意事項の説明もあります。個人差はありますが、この事前説明・診察に約10〜30分程度かかることが多いです。
実際、検査は予約制のクリニックがほとんどで、当院でも事前に外来受診いただき、検査内容の説明と注意事項をご案内してから、検査の日取りを決めていきます。

鎮静剤なしで行う場合の所要時間

鎮静剤を使用しない場合の胃カメラ検査は、準備から検査後の休憩まで含めても比較的短時間で終わります。具体的には、受付をしてから喉の麻酔など準備に約10分、内視鏡挿入から観察終了までが5〜15分程度、終了後の身支度や医師からの説明に5〜10分前後という流れで、トータル20〜30分程度で帰宅可能なケースもあります。

鎮静剤を使った場合の流れと滞在時間

鎮静剤を使用する場合は、検査中の苦痛が大幅に軽減される反面、前後の準備と休憩の時間が多めに必要です。受付から喉の麻酔などで約10分、点滴の準備に2〜3分、鎮静剤を注入してから効果がでるまで2〜3分ほど待つことになります。検査自体は皆さんがうとうと眠っている間に進み、内視鏡挿入から観察終了まで5〜15分程度です。
検査終了後は回復室(安静室)で15〜30分ほど、クリニックによっては1時間程度横になって休み、鎮静剤の効果がしっかり醒めてから医師の結果説明を受けます。このように鎮静剤を使う場合、来院から帰宅までは合計で45〜60分程度、最大2時間程度の滞在時間を見込んでおく必要があります。

経口・経鼻など検査手法による所要時間の違い

胃カメラには、口から挿入する経口内視鏡と、鼻から挿入する経鼻内視鏡の2種類の方法があります。それぞれの方法で若干流れや所要時間に違いがあり、時間の差はごくわずかですが、一般的には経鼻胃カメラのほうが経口よりもやや時間がかかる傾向があります。経鼻はスコープが細い分、挿入に慎重を要したり、胃の中を洗浄する水の出し入れに時間がかかったりするためです。一方、経口はスコープが太く操作しやすいことから検査自体はスムーズですが、口からカメラを入れる恐怖感や嘔吐反射の強さによっては手こずる場合もあります。

胃カメラ検査の基本的な流れ

医師と胃のイラスト

1.事前準備(消泡剤の服用・注射)

検査前には、胃の中をきれいにして観察しやすくするために、消泡剤という薬を少量の水と一緒に飲んでいただきます。場合によっては胃の動きを抑える注射(鎮痙剤)を使用することもあります。これにより、内視鏡がスムーズに入り、より正確な診断につながります。

2.麻酔(喉または鼻の局所麻酔)

次に、胃カメラを入れるための麻酔を行います。口からカメラを入れる場合は喉の奥に麻酔のスプレーを、鼻から入れる場合は鼻腔に麻酔ゼリーやスプレーを使用します。局所麻酔なので意識はありますが、嘔吐反射(えずき)を和らげる効果があります。

3.鎮静剤の投与(希望者のみ)

「できるだけ楽に検査を受けたい」という方には、鎮静剤の使用も可能です。点滴で投与することで、ウトウトと眠ったような状態で検査を受けられます。鎮静剤を使う場合は、検査後にしばらく休んでいただく必要がありますが、不安感や不快感が軽減され、多くの方が「思ったより楽だった」と感じられるようです。

4.内視鏡検査の実施(5〜15分程度)

いよいよ検査の本番です。内視鏡を口または鼻から挿入し、食道・胃・十二指腸の粘膜を観察します。検査時間は5〜15分程度で、必要に応じて組織の一部を採取する(生検)こともあります。

5.検査後の安静・覚醒(最大1時間ほど)

鎮静剤を使用された方は、検査後に別室で15分〜30分程度、最大1時間ほど安静にしていただきます。目が覚めたあとも、ふらつきや眠気が残る場合があるため、当日は自転車や車の運転は控えてください。鎮静剤を使わなかった場合は、比較的すぐに帰宅可能です。

6.医師による説明・結果のフィードバック

検査終了後は、担当医師から撮影した画像を見ながら結果の説明を行います。明らかな異常がなければ、その場でお伝えできることがほとんどです。生検を行った場合は、外部の検査会社に病理検査を依頼するため、約10~14日後にあらためて検査結果をご説明いたします。

胃カメラ検査をスムーズに終えるための工夫

看護師

胃カメラ検査をできるだけ快適に、そして正確に行うためには、患者さん自身のちょっとした工夫も大切です。以下のポイントを押さえることで、スムーズな検査につながります。

前日の食事や注意点を守る

検査前日の夕食は、夜9時頃までに済ませるようにしましょう。脂っこいものや消化に時間がかかるものは避け、消化のよい食事を心がけてください。また、当日の朝は絶食となるため、事前に指示された内容をよく確認しておきましょう。当院では朝6時までは水・お茶を飲んでいただけます。

予約システムを活用して待ち時間を短縮

インターネットや電話による事前予約を利用することも有用です。検査は空腹状態で行うため、待ち時間が長いと体力的に負担がかかります。スムーズな検査のためにも、あらかじめ予約を取って来院されることをおすすめします。
鎮静剤を使わない選択肢も視野に
「検査後すぐに帰りたい」「運転の予定がある」といった事情がある方は、鎮静剤を使わない選択肢もご検討ください。多少の不快感はあるものの、検査自体は短時間で終わります。事前に医師と相談して、自分に合った方法を選びましょう。

身体の力を抜いてリラックスする

緊張して体に力が入っていると、内視鏡の挿入が難しくなり、検査がスムーズに進まないことがあります。深呼吸をして、なるべくリラックスした状態を保つことが大切です。看護師や医師の声かけに耳を傾けながら、安心して検査を受けてください。

麻酔時に正しい姿勢を意識する

内視鏡検査では、左側を下にして横になる姿勢が基本です。指示された体勢を意識し、体を安定させることで不快感の軽減にもつながります。

胃カメラ検査に関するよくあるご質問

○バツと考える女性

胃カメラの前後、食事はいつから摂れる?

検査終了後、喉の麻酔が切れるまで、通常1時間ほどは飲食を控える必要があります。生検をした場合は、通常2時間は飲食を控えていただきます。

鎮静剤を使ったら何時間くらいで元に戻る?

鎮静剤の効果は通常1〜2時間程度で切れますが、眠気や注意力の低下が半日ほど続くこともあります。そのため、検査当日は可能であれば予定を空け、ゆっくりお過ごしいただくことをおすすめします。

検査後の運転や仕事は可能ですか?

鎮静剤を使用した場合は、検査当日の運転や高所作業、判断力を必要とする仕事は控えてください。鎮静剤を使用しなかった場合は、体調に問題がなければ日常生活に戻ることが可能です。ただし、検査で組織を採取した場合などは、無理をせず安静を心がけましょう。

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